鯉のぼりはここを見る 鯉のぼりはここを見る

鯉のぼりはここを見る

木綿製で、本染め、もしくは手書き本染めのものは高級品。

見た目でごまかしが利きづらい商品なので、良心的な値付けのものを選ぶ。

鯉のぼりの良し悪し

鯉のぼりの見分け方って洋服と割合近いんですよ。目で見て値段に見合ってるかどうか判断するのもそう難しくないんで。節供物にしては珍しく、見た目でごまかしが効きづらい商品です。

強いて言えば、縫製が裁ちかがり(ロック仕立て)になってるかどうかぐらいは見たほうがいいですね。デニムとかの生地の縫製に良く使われている奴です。(尾のほうから開けば簡単に見られます)

後は、普通の買い物といっしょで、値付けが良心的で信用できるお店を探してください。
下の図を見ていただければわかるように、各部分ごとに職人さんたちが分業で制作したものの集大成が、あの可愛らしい雛人形になるのです。

オリジナル商品を売りにするお店は特に注意。

「何がオリジナルなの?」というと「実は”パッケージ”がオリジナルでございます。」みたいなお店も結構あります。メーカーへの特注って場合もありますが、そういう時はメーカーは自社の名前も入れます。

販売店の名前しかないパッケージは怪しい、と思ったほうがいいです。

まず間違いなく値段の比較をさせないための小細工ですね。

生地・染めによる比較

※横にスクロールします。

生地 ナイロン/ポリエステル 綿製
染め方 プリント/注染(染料) プリント/注染(顔料) 本染(顔料) 手描き本染(顔料)
発色 蛍光色が普通。染料を使っているので
色自体も明るい
蛍光顔料を使わない限り蛍光色にはならない。
やや渋めな色使いの物が多い。
褪色 最初は明るいが、いったん褪色が始まると
急速に色がボケてくる。
作務衣やジーンズ同様、
緩やかに褪色していく。
金銀箔 顔料(塗料)/上級品は箔押しの事もある。 顔料/箔押し
無地の縁取り メーカーによる。
上級品は縁取り風にしたものが多い。
糊置きによって主線を作る為、縁あり。
ただし、塗りつぶして手間をかけたものもある。
すべて手描きの為、基本的に縁はないが、
作者の好みで縁取り風にすることも。
値段(1セット) ピンキリ。サイズにもよるが、
普及品は2万円前後から、高額品では20万円を超えるものまである。
やや高め。5・6万円~ 高め。15万円前後
希少性 ない(限定品などを除く) 生産数が少なくなってしまったので、
それなりの希少価値がある。
数が無いので、希少性は高い。
伝統工芸士等の制作だと作家性もあり、高額。

鯉のぼりの糊置き・絵入れ

チューブ(と言うか、絞り器というか)で、生地に防染糊を置き(糊置き)、主線を描いていきます。
染付けの工程が終わった後に水洗いをすると、この部分が洗い落ちして(生成りの色に戻って)無地の縁取りになります。後に見えているのは製作中(糊置き済み)の武者幟です。

糊置き

絵入れ

※写真は「渡辺幟店」さんにお借りしたものです。したがってこの写真に関する諸権利はすべて「渡辺幟店」に帰属します。

中には自社専門の工房を持っているなどというお店もありますが、そのお店で一年に売れるのは何本ですか?
ウン千本も売れてるとでも?新生児の出生率を考えてください。とても職人さんは食べていけませんよ。それでも商売が成り立つのなら、とんでもない利益率ということになります。

それから、鯉のぼりには綿製に本染め(或いは手書き本染め)のものがあり、そちらは高級品になります。

そんなお店はないとは思いますが、これを置いているお店で化繊のほうが高級というお店があるとしたら、そのお店は信用に値しません。

綿製は生地のせいもあって一見地味ですが、生産数が少なく、又、洗うことによってなんとも言えないいい味が出ます。(縫製といい、ほとんどジーンズの世界ですね。)