京式、関東式の違い 京式、関東式の違い

京式、関東式の違いはここを見る

「京式は高級、関東式は普及品。」は真っ赤なウソ。同価格帯なら品質も同等。やたらに「京製は高級」というお店にはご用心ください!

やたらといろいろ説明したがるお店も要注意!こっちが質問する前から先回りをしたがるのは自信の無い証拠です。

「京式は高級、関東式は普及品。」は真っ赤なウソ。同価格帯なら品質も同等です。というより、それが当然。
しかし、名前だけの京式、京製を謳って(相対的に)高い買い物をさせよう、作ろうというお店がまだまだあるのも事実。この二つはあくまでスタイルの違いで、買う人がどちらが好みか、というだけに過ぎません。やたらに「京製は高級」というお店にはご用心ください!

近くにどうしてもお店が無い、というならともかく、そうでなければいくつかのお店を回って見比べるのが肝心で、その際にはできれば手にとって見せてもらうよう頼みましょう。ちゃんとしたお店は手にとって見られることを恐れないものです。

やたらといろいろ説明したがるお店も要注意!こっちが質問する前から先回りをしたがるのは自信の無い証拠です。煙にまかれて高い買い物をする羽目になります。雛人形は決して安くないんですから。

京式、関東式、その違い(十五人飾りの場合)

官女

官女は殿・姫の世話役の女性。

ピンと張った袴、ピタリと隙間なく立つことがポイントです。
京式と関東式の違いは主に手道具です。中央の座った官女を見てください。三人官女の持ち物は、長柄銚子、加銚子、盃(三宝)が一般的ですが、京式は盃でなく島台を持ちます。

ついでなので官女を見るときのポイントも少し見てみましょう。袖が接着ではなく、きちんと仕立てられているのが判りますか? このあたりの下手の違いを見るのがポイントになってきます。


五人囃子

五人囃子は、能から生まれた宮中宴の演奏者。

京式、関東式も明確な違いは無いようです。むしろ人形師の好みによるスタイルの違いが大きいでしょう。衿の房飾りの有る無しも同様で、特にあるから上級品というわけでもありません。

随臣(ずいじん)

随身とも書きます。宮中の門番の者たちです。京型に比べ関東型は1枚多く着ていて、袖を腰に巻いています。「闕腋の袍」(けってきのほう)を使った物は右近衛、左近衛とされ、この場合は大臣というのは誤りの様です。

ちなみに袍(ほう)とは、公家の装束の盤領(まるえり)の上衣のことで、「うえのきぬ」とも言います。

仕丁(じちょう)

仕丁は、宮中のお庭番。
服装も全然違うのがお分かりでしょうか。お道具だけ持たせ換える店もあるので、要注意です。

【京式】

「御所庭様式」と言われ、京都御所の普段の生活を表す姿、粗末な狩衣と掃除用具を持つのが特徴です。

【関東式】

「御巡航様式」と言われ、お出掛けの豪華絢爛な姿を模した様式。台傘や長柄傘、沓を持つのが特徴です。

仕丁の足は陶器で出来たものが基本的に良い物です。石膏やプラの物もあります。
左下のお道具、右の三点が京式。左は関東式です。

お道具六点揃い

お道具に関しては、特に形式に違いがなくとも高いものに京式と書くことが多いようです。

お道具九点揃い

九点物は六点物から増えた三点が関東風の文物に近いため、京式を謳った物は少ないようです。