雛人形は誰が作っているの? 雛人形は誰が作っているの?

雛の顔はここを見る

高価なのは一点物となる「桐塑頭」だが、温風によるひび割れなどの欠点もある。

一定レベルをクリアしている製品の場合、最終的には予算とお顔の好みで決めるのが正解。

桐塑頭(とうそがしら)

お店によっては古頭、練り頭とも呼ぶようですが、伝統的技法によって作られた頭の事です。
桐の木の粉を正麩糊(しょうふのり)で固めたものを素体とし、その上に貝殻の粉をニカワで練ったものを盛り、手彫りで表情をつけ、その後、筆で顔を描きます。
顔を作る工程がすべて手作業のため、基本的なつくりはいっしょでもそこには微妙な違いがあります。つまり、頭ごとに個性が生まれるのです。全く同じ物はありえません。
これは長所でもあり、短所ともいえますが、

  • 【その製法ゆえにある程度は修理が利く】
  • 【事実上「一品物」になるという希少性】
  • 【国の伝統工芸品指定の条件である】

などから、高級品に使われています。

欠点としては、

  • 【温風暖房に直に当たるとひび割れることがある】
  • 【ぶつけるなどで表面が剥離することがある】
  • 【職人が減り、製作数が少ない(全国で流通する雛人形の2~3%といわれています)】

などの理由で、高価であること、他に、【古い作り方を守っているため、段飾りを基本とした造作になっている=近くで見ると生々しくて『濃ゆい』顔になる】ことがあげられます。

桐塑頭(とうそがしら)の作り方

石膏頭(せっこうがしら)

新頭とも呼ばれています。原型から取った型に石膏を流し込んで作り、 顔を描いて仕上げます。原型の出来さえよければ、重要なのは面相書きだけですので、安定した品質で同じ顔を大量に作れるというメリットがあります。 ただ、これも裏を返せばみな顔に個性が無いということになり、

  • 【安価である】
  • 【出回りがよいので気に入った顔が見つけやすい】

等が長所でもあり、短所でもあることになります。

逆に欠点としては

  • 【大量生産品ゆえに希少価値は無い】
  • 【重さの割に柔らかい為、ぶつけるなどで変形しやすい】
  • 【破損の場合は修理は利かない(「首のすげ替え」しかない)】
  • 【桐塑頭と同様に温風暖房に直に当たるとひび割れることがある】
  • 【どんな高価なセットでも伝統工芸品の指定は受けられない】

などが特徴として挙げられるでしょう。

石膏頭(せっこうがしら)の作り方

 
 

樹脂頭(じゅしがしら)

かつては中級品以下の普及品で主流であった頭。金属型を使用し、半永久的に同じ顔を生産できます。ヒビ、割れるなどの心配もなく、サンドブラスト加工によって胡粉仕上げのように見せることも出来ますが、石膏頭の価格が低下するに従って減少し、現在ではそれほど見られません。最初に型を作るのが高くつくので、近年のお顔の好みの変遷、広がりについていけなかったという話もあります。

素焼き頭・セラミック頭

石膏より丈夫で、なおかつ均一な製品が作れるのが特徴。湿気に強く、軽いなど、「工業製品として考える」なら言うことナシです。髪が植え込めないので貼り付けて作るしかないと言う欠点もありますが、そのうち石膏頭にとって代わるかもしれないですね。現在は使っている雛人形はあまり無いようです。